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15世紀末頃のとある公国。
黒魔女は、もともと巨大な黒い神獣を讃え崇め奉る公国の教会で賛美歌や聖歌を歌う聖職者、つまり国側の人間、いや生贄だった。
大人たちの言うことに従い、毎日のように祈りを捧げ、歌い、祀る神獣の檻へ足を運び言われるがまま血を捧げ続けていた。
少年は歌うことが大好きだった。たくさんの大人に蔑まされても、同じ生け贄の少年たちに小言を言われても、少年はずっと歌っていた。
少年が歌うと、どこからか動物たちが寄ってくる。それほどまでに魅惑的だった。
けれど少年はひとりだった。いつも動物たちと戯れるだけ。少し寂しかった。
ある日、祀られている神獣に会いに行った少年。彼もまた、ひとりで寂しいのではないかと、彼の檻へ近付いた。言葉を交わすことはなかったが、少年は毎日同じ時間に彼に会いに行った。いつか彼が元気になるように。
そんななか、少年は祀っていた神獣と血の契りを交わすことになる。その契りによって少年は老いることがなくなったという。
その後教会を抜け出し彼と隠れ住んでいたが、そう上手くは行かず、数十年後魔女狩りにあい、少年は拷問の末、火刑に処された。
…が、死んだ直後、神獣と交わした血の契りと己の欲望が暴発し皆が望む「本物の魔女」へと変化した。
髪はより黒く、長く。紺碧の美しい双眼は血のような隻眼に。爪は拷問の際剥がされた為か 赤く変色した。
黒魔女となった少年と彼はその日のうちに、彼と共に処刑を楽しみにそこら一帯に集まった人間を焼いて喰い殺した。
彼の大好きな歌で。
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